別棲ノススメ
「e-とらんす」世界の街から、2001年5月号掲載




「男と生活するのって疲れるわよね」
子供のいる中年女性数人で話していて突然こんな話が出た。
「他人と一緒に暮らすっていうのは実はすごいストレスよ」過去数人の男性と
同棲したことがあるという孫持ちの女性が言った。内心私も大いに同感する。

新聞には最近「同棲」ならぬ「別棲」するカップルが増えていると出ていた。
スウェーデンには事実婚のカップルは多いが、正式に結婚していても住居は別に
構えるという夫婦が次々現れているのだそうだ。日本で「別居している」というと
まるで不仲で離婚を前提にしているような印象を受けるが、こちらではそうでもない。
自分の住んでいる街に愛着があって離れられない、仕事を変えることができない、
行きたい学校がそこにしかない・・・そんな物理的理由で別居を選ぶ人たちもいれば、
「夫婦の関係を救うため」に離れて暮らすことにしたという人たちもいる。「彼のことは
好きだけど、毎日顔を見たくはないの」新聞に載っていた別棲して3年という女性の談話は
こう載っていた。「私は昼間大学で講義を受け、夕方は成人学校で教えています。彼とは
2年間一緒に暮らしたけれど、自分の時間が持てなくてイライラしました。週末や連休だけ
同居するという今のスタイルがとてもうまくいっています」

 もちろん結婚や同棲のメリットはたくさんある。生活費は一人暮らしより安くつくし、
精神的にも安心感が得られる。だが家事担当の不均衡やプライバシーのない私生活の心地悪さ、
常に同居人のことを計算に入れなくてはならない束縛感はその代償である。ストレスを抱えた
状態では甘い夫婦生活など到底望めない。よく「離婚後の方がお互いよい友達になれた」と
いう人がいるのはそのせいかもしれない。

個人的には私もこの頃「別棲肯定型」に傾き始めている。24時間しかない一日を、
まず仕事にとられ、次に子供と家事にとられ、残ったほんのわずかな時間を古亭主(?)
にとられ、静かにソファに寝そべってテレビを見るのもままならないなんてたまらない。
「灰色の平日を抜かして、休日だけゆっくりと家族と過ごせるなんて最高」
ひょっとしてこれは普段目が回るほど忙しいワーキングマザーの理想の生活形態なのかもしれない。
もっとも我が家では亭主が大反対しているのだけれど・・・。


(さよこ)


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