健康のため空気に注意
「e-とらんす」世界の街から、2001年7月号掲載

日本とスウェーデンは気候が違うので、日本ではあまり身近になかった病気が
こちらでは日常的だったりする。
その際たるものがMagsjukだろう。直訳すると「腹痛」だが、日本の腹痛と
ちょっと違う。どこが違うかというと風邪のように細菌で感染することと、
そのあまりにも突然な発病、胃を雑巾にして絞ったようなギリギリという
局部的な痛みと下痢、嘔吐。そして重症なものになると胃が空になっても
吐き気が続き、発熱して寝込む状態になる。このMagsjukは風邪と同じくらい
一般的で、一年を通じてかかるが特に冬場が多いのはやはり細菌の繁殖には
乾燥した空気が適しているからだろうか。
こんなやっかいな伝染病にかからないように、普段の生活から注意が必要である。
まず残った料理を鍋に入れたまま一晩置いてはいけない。ちゃんとパックに入れて
冷蔵庫にしまっておく。亭主に言わせると「流し台の上に半日も置いていたものは
怖くて食べられない」のだそうだ。
またスウェーデン人は部屋の空気に敏感である。
学校でも休み時間には必ず窓を開け、空気の入れ替えをする。また休憩時には
「外の空気を吸いに行こう」が合言葉だったりする。屋内はたいてい禁煙なので、
愛煙家にとっては煙草を吸おうとの意味合いもあるが、その他の人にも単純に
新鮮な空気を吸うことが大切だったりする。最初の頃私はそんなに外で休憩ばかり
していたら能率が悪いだろうに… と思っていたが、これには細菌の空気感染を
防ぐというちゃんとした健康上の理由があったのだ。
似たような理由からかどうかは知らないがスウェーデン人は戸外に出て延々と
散歩するのが好きである。また都市に住む人も金銭に余裕ができればたいてい
田舎にサマーハウスを購入する。週末はこのサマーハウスで自然の中、
新鮮な空気を吸いながら、のんびりと淡い日光を楽しむ。せっかちな日本人の私
にはこの上なく退屈に思えるこんな休日が、実は一番健康的かつ贅沢な一日なの
かもしれない。
(さよこ)


